ごにのしろ

砂上の楼閣

「ポケモンの捕まえやすさを表す語」の歴史

 

更新履歴

2022/12/11

・2005年以前の用例がなかったことについて追記

・えい様に頂いた情報を追記

 

序文

当記事はPokémon Past Generation Advent Calendar 2022に参加しています

adventar.org

 

本稿では、ポケモンの捕まえやすさを指す語の歴史について記す


調査のきっかけ

「捕捉率」というワードの起源は何か、という問いに答えるのが端緒であった


用例検索

ポケモンWikiに単独ページが作られたのが2007年1月、テンプレートに用いられたのが2006年6月である

起源を探すには、2006年6月より前に執筆されており、さらに影響力のある用例を探せば良いということになる

そこで、Google検索、Yahoo!検索、5ch(旧2ch)の過去ログ検索による起源発掘を試みた

また、ジオシティーズなど、現在終了しているサービスによるサイトも可能な限りで目を通した

 

結果として、2006年6月以前の「捕捉率」用例を見つけることは出来なかった

また、ポケモンWiki外の最古の用例は2008年である

過ぎ去りし夜空をにぎわす羽根 ~ポケモン夢幻夜天~ ポケトレ - 色違いダンバル

 

よって、「捕捉率」についてはポケモンWikiが起源であり、サイト内で普及した後に他サイトでも見られるようになったのではないかと推察する

これはポケモンWiki内外で初出時期に大きな差があるためである

もちろん、サイト閉鎖などによる最古の用例などを見落とした可能性は排除することが出来ない

 

「捕捉率」以外

本項では、捕捉率と同等の意味で使われていた語と用例について簡易的に記す

ポケモンサイト一覧 - ポケモンWiki

に表記されている攻略系サイトを確認した

インターネットアーカイブで確認可能なものについては閉鎖されたものも目を通した

「レア度」

Pokemon Analysis

Pikadex(つのぽけ派生)

「被捕獲度」

Pokemon Analysis

ポケットモンスター情報センター

つのぽけ

怠け者のポケモン研究室

POKeDEX 250

「被捕獲率」

hiwasa's Home Page

「つかまえやすさ」

ポケモン徹底攻略

「レア低度(原文ママ)」

ポケモンサーチ

「ゲットしやすさ」

ポケモン徹底攻略

記載がありそうだったが確認できなかったサイト

ゲムステ

トレーナー天国

 

5ch(旧2ch)における「被捕獲度」と「捕捉率」の年別出現回数

「被捕獲度」「捕捉率」の普及度合いの指標として、5chでの発言回数を調べることにした

Google検索は消滅した古いサイトの多さが無視できない点で不適当であり、Twitterはサービス開始が新しすぎるという問題点がある

そのため現実的な選択肢としては5chが妥当ではないかという結論に至った

多少の数え間違いはご容赦ください

 

2005年以前はいずれの語も用例が確認できなかったため省略(携帯ゲーム板も確認済)

グラフによる比較

補足事項はグラフ下部の表内を参照

 

5ch内における用例出現回数(下部の表に備考あり)



表による比較

捕捉率における括弧内の数字は1日1体ポケモンを語るスレのレス回数

*は全て同一レスによるもの

 

年次 被捕獲度 捕捉率
05 1 0
06 6 0
07 3 0
08 8* 0
09 6 5
10 0 1
11 8 0
12 1 0
13 0 0(103)
14 0 0
15 0 1(1)
16 1 5
17 9 3
18 0 0
19 0 4
20 1 18
21 0 20(1)

 

雑感

17年に「被捕獲度」のレス回数が異様に高くなっている

登場スレッドはVC(特に第2世代)関連が多い

当時「被捕獲度」に親しんだユーザーが当時と同じ感覚で使っているのかもしれない

思ったより「被捕獲度」のレス数が少ない

使用する機会が限られているからなのか…そもそもそんなに普及していなかったのか…

「捕捉率」のポケモン外での用法

生活保護などでは、制度支援対象のうち実際に支援されている者の割合を指す

4.捕捉率の推計 - hinkonstat ページ

気象予報では、ある現象の予報回数のうち的中した確率を捕捉率と呼ぶ

気象庁 | 検証方法の説明